ブラック-SS-




テンパる私をよそに、彼はカーテンを閉める気配を全く見せない。





え?何?
本当に何?



何か私から話しかけた方がいいのかと、
だけど私から話しかけるなんて恐れ多すぎて




すると彼の綺麗な唇がゆっくりと開かれる。




「なぁ、ここに女いなかった?」




お、女?

私 女ですけど……



彼に話しかけられたという焦りでか、緊張でか




「え、あ…!」と口ごもる私とは対照的に、




やっぱり彼は綺麗だった。そして誰もが納得するほどの魅力。思わず見惚れずにはいられなかった。




そして保健室には、再びガラガラというドアの開く音が響く。