「言葉とは何のためにあるのか、しっかり家で考えてきて下さい。」

 今日、担任の先生に言われた。
 意味が分からない。
 「言葉とは何のためにあるのか」何て言われても、そんなの分かるわけない。あるものはあるんだから仕方がない。

 「はぁ……」
 中学一年生の七瀬香菜は大きくため息をついて机に突っ伏した。
 哲学者でもないんだし、そんな事考えなくてもイイじゃん。面倒だし、意味分かんない!
 心の中で毒づいていると、手元にあったスマホがピロリンと鳴った。と同時に大急ぎでスマホを開く。
 ……あ、リコからだ。
 メールには今日の宿題についてダラダラと文句がつづられていた。