ーーーー翌日、豊央学園中等部は騒然としていた。
何しろ、昨日居なかった「入試トップの3人」が登校してきたことに起因する。
「そう」
「え、俺のせいじゃねぇよ」
「……うるせぇよ」
全員黒髪で、1人は制服をきちんと着こなし、1人はブレザーの前を開け、1人はネクタイを緩めてブレザーを着ていない状態。
模範生のように制服を着こなしているのが野上悠陽(のがみ はるひ)。
ブレザーの前を開けているのが宮野颯夜(みやの そうや)。
そしてネクタイを緩めて、ブレザーを着ていないのが凛条湊(りんじょう みなと)。
彼・湊は昨日新入生代表を務めた彼の双子の片割れでーーーー本来ならば、彼がやる予定だった。
「みな、上着ろ」
「邪魔」
「湊、お前入学式翌日から怒られる気か?」
「うるせぇよヘタレ黙れ」
「……不機嫌だな、オイ」
早くも注目を浴びる3人が向かうのは職員室。

