耳障りな音が湊の耳を刺激した。どうやら寝ていたらしい。記憶にない、とはそういうことなのだろう。



起こされた記憶も特にない。入学式から1週間が経った今日から授業が始まり、昼となった。




「……。」



「湊!飯!」




バン!と教室のドアが開かれる。一斉に黄色い声が飛んだ。



「ウゼェ来んなバカ」



「は!?ヒドっ!」



黄色い声に顔をしかめた湊は颯夜に容赦なく毒を吐く。まあ、元の原因は確かに颯夜なのだが。




「で?」



「あ?あー、飯だよ!飯!」



「うるせぇ黙れ」



「寝起きで機嫌悪りぃなぁ、お前」



「誰のせいだと」



「……誰だったかな」




思わず颯夜はその言葉に目を逸らした。