風が満開の桜を揺らす。ヒラヒラと散るそれに、特に思い入れはない。



ゴロン、と仰向けに寝て空に手を伸ばす。春の陽気は心地よい。眠くなる、つか寝るためにここに来たんだけど。清々しいくらいの青さに目を細め、瞳を閉じる。




「……ふぁ……」




誰も来ない屋上。今日はアイツら居ないから大丈夫だろーな。バレたらきっとまた怒られる。って、何考えてんだろ。



体育館から聞こえてくる、賞賛の拍手。入学式も終わったか。ここでサボったことバレたらどーなるんだろ。アイツ、煩いよな。だって、俺バックれたんだし。



ゆっくり起き上がって、真上を見上げた。やはり、清々しすぎる空に苦笑しかけた。