「消えてよ!!
あんたなんか、いなきゃいいのに!!」


浩一君の彼女、瑠美さんがまた来るようになった

よりが戻ったんだね

あたしは、そのショックと

聞きたくなかった言葉に

反論すらできなくなっていた


「迷惑なの、わかんないのかな?
他所の大学で、うるさいよ?」


奏汰が間に入ってくれたけど

正直、奏汰を巻き込みたくない


「出てくんなよっ!!」


瑠美さんに傷つけられたからって

奏汰に八つ当たりなんて

最低だよね


「だって……」


奏汰が、ヘコむ


あたしは、どうしてこうなんだろう


こんなだから、浩一君に嫌われるんだ

奏汰にだけは、嫌われたくない

仕事を始めたけど、奏汰に言わなきゃ


「ありがとう……」

「???」

「泣いちゃうとこだった……」


とかいいながら、すでに泣いていた


「あの子の前では、泣きたくなかったから
奏汰来てくれて、よかった…ありがとう」


「そっか……なら、よかった
俺、ああいう言葉、嫌いだから
でしゃばって、ごめん」



ありがとう


奏汰


いつも味方でいてくれるから


意地っぱりなあたしは



コソッとしか泣けなくて



こんなに簡単に泣いちゃうなんて


ダサイ


奏汰は、深く踏み込まない




あたしが逃げるから



丁度いいところで



押したり引いたり



肝心なとき、そばにいてくれる



どんなに救われてるか



奏汰にごめんなんて、謝らせて



あたしは、奏汰に甘えてばかりだ…