お世辞にも上手とは言えない

下手くそ!と言ってしまいたいほど

音がズレている


大学生になって、初めての行事

歓迎会に向かう途中だった


本当、ズレている


だけど、一生懸命にギターを弾く

桜の下にいる彼から、目が離せない


しばらく、様子を見ていると



聞いたことのないメロディー



作曲できるの?



この腕前で?とか、失礼なこと思ったけど

すごく良い曲だった


だから


もったいないなって…



「音、ズレてますよ?」

「へ?」

振り返った彼は、間抜けな顔して

顔を赤らめた

「ごめんなさい!」


やっぱり、失礼なことしちゃった!!

あたしは、慌てて頭を下げた


「やっぱり!あははっ合わせるの苦手で」


怒りもせず、気さくに笑ってくれた


「貸して下さい、こうして合わせるんです」

チューニングの仕方を教えたけど


「へぇ」


大丈夫? …すごく間抜けな顔してるけど

少し、ギターを弾かせて貰った

このギターすごくいい音するなぁ~


あ!!自己紹介してなかった!!


「七瀬 結です!」

「あ!青葉 奏汰!
よかったら、ギター教えてくれる?」


うわっ

天才発見!!




「教授が言ってました、青葉って頭の良い奴がいるって!
先輩が勉強教えてくれるなら、良いですよ!?」



これが、青葉 奏汰とあたしの

出会いだった