上から不機嫌極まりない声が降り注いで きた。 「達也、なんでいんの?」 「お前なー、俺だけ置いてくとかひど…」 たっちゃんはそこまで言って考えるよう な素振りをした後、何か思い出したのか 「あ!」 と大きな声を出して 「俺、帰んねーと!」 そう言ってスポーツカーばりに無駄に速 い走りで帰っていった。