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午後1時に緊急出動が要請された。
鵜嵬基地にいるパイロット5名全員出動。
観測では10機がこちらに向かっているという。
僕たちは少なくとも、1人2機は撃ち落とさないと割りが合わない。
不可能なわけがない。
しかし、昨日のことを思うと…
今日のコンディションは絶好調だ。
機体も昨日で修理が完了した。
もうミスは許されない。
親指を立ててお互いの成功を誓う。
僕たちの誓いは、全機絶滅。
その場合僕たちの生死は問わない。
「前方から一気に8機が攻めてくる。本城と菊永は下がれ、他の者は死滅にかかれ」
無線からは新堂司令官の命令。
聞いたことのない張り詰めた口調。
それは今までになく、大人数で攻めて来たからだろう。
それに対してこちらのパイロットは5名だ。
他からの基地から応援を呼んでいない。
その必要は全く必要なかったからだ。
僕たちはひとりひとりが優秀だから。
僕は速度を下げて、後方に回った。
右隣には菊永。
前方には倉田が少しリードし、その後を2機が追う。
見えてきた。
8機が綺麗に横に並んでやってくる。
倉田が上昇すると、敵機2機が追撃する。
冬樹と七城は連携プレイで敵機を攻撃している。



