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「明日、出撃する。目標は鵜嵬(ウカイ)基地だ」
時田は煙草を吸いながら言った。
「方法は?」
ディスクの前で立っていた綾瀬刀麻(トウマ)は、時田を睨むように聞く。
「残りの8機で攻める。その後君たちは後方から一気に加速して、そのまま突っ走れ。君たちがやられそうになった時は、他の者が犠牲になる」
時田は答える。
「やられたら?」
綾瀬の隣で聞いていた天宮寺美琴が尋ねた。
「そんなこと気にしなくていい」
それに対して投げ捨てるように返した。
「ピリピリしてますね?」
綾瀬は口元を曲げながら聞いた。
「話は以上だ。明日に備えろ」
時田は綾瀬に返答せずに、後ろを向いてしまった。
綾瀬と天宮寺は、時田の背中に敬礼をし部屋を出ていった。
通路の途中に2人は林とすれ違った。
「林博士」
綾瀬は急いでいる林の背中に声をかけた。
「何か?」
林は綾瀬の方に振り返り、迷惑そうな表情で尋ねる。
「いえ、たいした用はありませんよ。ただ、明日もし俺が死んじゃったら生き返させてくださいね」
不適な笑みを浮かべて言った。
「ふざけないで。私はそんな研究をしてるんじゃないわ」
林は綾瀬を睨み、また走っていった。



