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それからしばらくその場所に居座ったが、誰しも皆この状況から離脱したかったのだろう。
僕から帰ることを提案して、ホテルに戻った。
その夜、倉田の姿が見えなかった。
きっとミキと一緒にいるのだろう。
そんな気がした。
この部屋に僕と冬樹しかいないことがなんだか変だった。
変というより妙で、不思議だった。
倉田がいないおかげで、ゆっくりベットを使えるのは嬉しいのだけれど、冬樹と2人という条件が僕は受け入れられない。
似た者同士は決して2人きりになってはいけないのだと、この時痛感するのだ。
きっと冬樹も同じだろう。
僕はベットに仰向けになって、ホテルの天井を見た。
知らない天井。
それは当たり前だった。
手を伸ばすと、ぼやけて天井が見える。
それも当たり前で、視点を手に置いたからだ。
何故あの時、ユイは感情的になっていたのか。
どうしてだろう。
そこまで気になることだったのだろうか。
それとも、その理由を知っていないと落ち着かない性格なのだろうか。
僕はそんなことを考えてみたが、たぶんどれもあてはまらないに違いない。



