ジー・フール


車を走らせて今度向かったのは、遊び場だった。
ボウリングにビリヤード、ダーツにバッティングセンター。
看板の照明ライトが点滅していた。
外装だけでも古びた感じが物語っている。
車の数も少ない。

入り口の自動ドアが開いた瞬間、機械音が鳴り響く。
1階はゲームセンターのようで、UFOキャッチャーが並んでいたり、カーレースなどがあって、若者たちが遊んでいる。
そういえば、自転車は結構止まっていたっけか、と僕は思い出してみた。
彼らから見たら僕らはどんな風に映るのだろう。
そんなことを頭に描いたりしてみたが、無駄だと思いすぐ止めた。

僕たちは階段で3階まで上がった。
コツコツとミキのヒールの音。
サッサッとズボンが擦れ合う音が聞こえる。
この音は僕だろうか。
それとも冬樹か倉田か。
僕はたまにどうでもいいことが気になる。
くだらないことだとわかっていても、何故か気になる。
他人のことになると、興味さえ全く持たないのに。
そんなところが、僕の変な人間性だと気付かされる。