あれっきりパイロット補充の話はしていない。
むしろ、まだ来ていない。
そんな中での休日だった。
「明日早く起きろ!5時だぞ?いいな?」
「なんで?」
僕が聞くときには、すでに彼は走って来た道を戻って行ってしまった。
僕は追い掛けるわけでもなく、声を張り上げるわけでもなく、そのまま自分のペースに戻した。
シャワーを浴びて、おもいっきりタオルで髪を拭いた。
Tシャツ短パンで、椅子に座った。
夜のスタイルはいつも同じだ。
パジャマの代わりとでも言えようか。
ディスクにあるパソコンの電源を入れた。
各部屋1台設置してある。
このパソコンを使うのははじめてだった。
そう言えば、前のパートナーはよく通信販売をしていた。
僕が知っていたのは、彼が僕にわざわざ見せ付けてきたからだ。
僕の知っている上野清春という男は、倉田と似ておしゃべりだった。
そのせいかあまり好きなタイプじゃなかった。
煙草と一緒だ。
煙草にも味の好き嫌いがある。
でも僕と変わらないくらいの背丈で、癖のある髪。
何が面白いのかわからないが、よく笑う奴だった。
他に特徴のないパートナーだったけど、腕は確かで、煙草は吸わない人間。
そんな彼だった。



