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偵察を何日か行った。
その結果2日だけ休みをもらった。
この休みは僕にとって久しぶりの休日だった。
毎日同じ場所にいて、空を見ては煙草を吸う。
呼び出しがかかれば、戦闘機に乗って今度は空の中を泳ぐ。
涼しい、気持ちが良いなど思っていられるのは、飛び立ってから5分くらいのこと。
外に出歩くと行っても、バイクを飛ばして10分で着くバーだけ。
それ以外喫茶店や飲食店など一切見当たらない。
あのバーにいる人はたいてい基地にいる人だ。
街の人がわざわざ時間をかけてまで、来るところでもない。
マスターは元パイロットと言っていた。
本当か嘘かはわからない。
誰かに聞けば明らかになることだか、そこまで知りたいと思わないからそのままだ。
あそこで働いているアルバイトのコは、きっとマスターの知り合いだろう。
休日をもらって部屋に戻ろうとした時、後ろから声をかけられた。
この声はよく聞く声だ。
「悠斗」
倉田だ。
彼は僕の肩を叩いた。
「やったな休日!しかも2日だぜ」
彼は嬉しそうに笑顔で言ってきた。



