ジー・フール




新堂は立ち上がり、ブラインドを上げる。

「雨が降りそうだな」
新堂は外を見ながら聞いた。

「そうですか」
女性は答える。

「本城と倉田が戻ってきたら呼んでくれ」
ブラインドを下ろし、女を見ながら言った。

「わかりました」
女は軽く頭を下げた後、部屋を出ていった。

ディスクに置いてある携帯に手を伸ばし、電話をかける。

「もしもし、俺だ。あ〜…今大丈夫か?……そうか…あ〜……だが……わかった。あ〜……また連絡する」

電話を切り椅子に腰掛けた。
胸ポケットから煙草を取り出し、口に加えてライターで火をつける。
一服してすぐに灰皿に押しつけた。

ディスクに積まれた書類を上から順番に捲っていく。
分厚い物から薄い物まで。

右下の引き出しから履歴ファイルを取り出した。
一枚一枚丁寧に見ていく。
事務員の名前に詳細。
整備士はひとりか。

機体は全部で8機。
あと3人派遣されてくるのか。
詳しいことは後で上から連絡がくる。