朝食を終え、僕は食堂を出た。
同時にアナウンスが流れた。
「緊急連絡。緊急連絡。倉田、本城の両パイロットは直ちに出撃。詳細は追って連絡」
僕たちは中庭に出る出口とは逆に、反対側にある食堂隣の細い道を通った。
左手に小さいドアがある。
横についているセンサーに手を当てれば、ドアが開く仕組みである。
僕は灰色の操縦服に着替え部屋を出る。
フライトキャップとゴーグルを被りながら、今度は手動式のドアを開けて滑走路を走った。
戦闘機に乗り込みエンジンをかける。
「本城、倉田。そのまま東方向にすすめ。あとは任せる」
無線から新堂司令官の声が聞こえた。
僕より先に倉田は飛び立った。
僕も続けて左手でアクセルを引き、エンジンを一気に吹かして飛び立った。
倉田は左上を飛んでいる。
僕はそれを追っている状態。
陸上から離れて海上を飛ぶ。
基地はもう小さく、海上を鳥たちと進む。
「聞こえるか?」
倉田の声が無線から聞こえる。
「えぇ」
僕は倉田の戦闘機を横目で見ながら答えた。
「来ますよ」
「じゃ後でな」
無線が切れた。



