ジー・フール


むしろ知ったところで何も変わらない。
僕と同じ使命の奴らが何人いるのかさえ知らない。

「倉田さんは、僕で何人目ですか?」
気になったことを聞いてみた。

「まぁ…3人目ってとこかな。でもここに来てお前がはじめての相棒だ」
倉田は僕を見て言った。

この時はじめて知った。
元々ここにいた人間じゃなかったんだと。

「そうなんですか。僕たちみたいな役目は、ここに何人いるのかご存知ですか?」

「お前知らないのか?」
ちょっと驚いた顔で僕を見て言った。
それもそのはずだ。

「えぇ…僕はパートナーになる者にしか用はありませんから」

「なるほどね」
倉田は笑った。
「ここに来る前に上から言われたが、俺らを入れて6人と聞いている」

意外にも少ないことに驚いた。
そんな少人数で今までやってきていたのか。
わりにすごいことだ。
それとも、あまり期待されていないのか…
はたまた、まだそんなに焦らなくてもいいのか…