「また、新たな男の子の登場か〜」
いつの間にか隣にいた利絵が
手を組みながら矢田くんの後ろ姿を眺めている
「わっ!り、利絵!
びっくりした〜。」
あたしの声に反応して
こちらを向く。
「うーん…青瀬もありかと思ったけど
矢田晴也もありかもね…」
「い、いや なんの話?」
目を輝かせてあたしの手を握る
利絵がこうなれば
だれにも止められない…
「ちょ、利絵?
あたし 別に恋したいとか思ってないからね?」
ちゃんと言っとかないと…
後でどうなるかわかんない
「えぇー!青瀬がダメなら
他の人で試そうと思ったのにー」
まだ諦めてなかったのね…
青瀬も矢田くんも
絶対にありえない…
とゆーか…
誰でも無理だ。
恋なんて……するだけ無駄だ。

