「人生はadventureなのよ」それが僕の聞いた彼女の最後の言葉だった。


2014年。僕は新中1としてこの荒田中学校にきた。決して受験をしたのではなく、学区だったからだ。

僕は運良く荒中の隣の小学校出身で、通学路も数メーター増えただけだった。

入学式の日。僕は母さんとともに新品の学ランをきて新しい出会いの門をくぐった。

僕の家は共働きだ。小さい頃はよく寂しい思いをさせられた。今日も母さんは入学式のために仕事を半日休んでくれている。

だから今日も僕を見届けたら会社に行ってしまうのだ。今日くらい1日休めばいいのに。実は今でも母さんがいないのは寂しい。

僕はあまり両親と喋べらない。というか喋る時間がない。両親は僕が起きる頃に出勤し、11時頃帰ってくる。

家族写真もあまりない。七五三も母さんとばあちゃんで行ったし、入学式も父さんは学校まで来ていない。運動会も一度も来てくれたことがない。

そんな僕に愛の心があるなんて考えもしなかった。