その言葉に、あたしの顔が熱を帯びてゆく。


「…上手く、言えないんだけど…。」

だけどそれ以上に顔を真っ赤に染めた神楽くんがあたしの瞳に映って。




「……可愛い、なんて言い慣れてないし、あん時はみんな居たからさ…。」

なんて言って照れてる神楽くんにまた強く心臓が高鳴ったのがわかった。






そして――――…




「…でも、可愛いって思ったんだ、本当に。」


夕暮れの教室に、神楽くんへの想いが弾けていった。




ねぇ、玲。

…やっぱり、恋っていいね。



彼の一挙一動に


胸が苦しくなったり

思わぬ一言にときめいたり

あたしの心臓は毎日忙しいけど、でもね?



こうして、好きな人に
『可愛い』って言われる事が、こんなにも嬉しい事なんだって

あたし、知らなかった。




…あたし、やっぱり神楽くんが

―――好き。




そう確信した、夕暮れ時の放課後。