恋 文 日 和



…………………


暖房の効いた教室は
まるで春の温もりのように心地よくて

気が付くと瞼が落ちてきてしまう。


だけど外に吹き荒れる風はとても冷たい。

現実と、理想は
極端に言えばこんな感じだろう。



いつまでもここに居たくても、ずっとは居られない事

わかっているからこそ
人は生き急いでしまうのかもしれない。





「ほら、席に着けー。」

ぼけっと外を眺めていると、担任が教室に入って来て飛んでいた意識がふっと戻された。


「今から席替えするぞ。これが最後だから、今回は好きに座っていいからなー。」

先生の言葉に、教室が一気にざわつき始める。



「日和!やったじゃん!神楽たちと席近くにしようよ!」

前に座る玲が、はしゃいだ様子でそう言った。


「絶対窓際ね!」

「…うん、わかった。」

そんな玲を横目に、あたしは作り笑顔で答える。



「よし、じゃあ好きな席に座れー!」

そして
先生の合図と共に、みんなが一斉に動き始めた。