恋 文 日 和



「…三上くん……。」

「…久しぶり。初詣…以来だね。」

冬休み前よりも、少しだけ落ち着いた髪色が
あたしの胸を締めつける。


徐々に縮まる距離に

「日和、あたし先に教室戻ってるね。」

「…あ、うん…。」

玲が気を遣ってか、その場を離れていった。



サア、と冷たい風が通り抜けてゆく。


そして、ピタリと止まった足元から顔をあげ
ぶつかった視線に、罪悪感がどっと押し寄せて来て。


堪らなくなって目線を下げると

「…ちょっと、話せる?」

そう言った三上くんは、そのまま何も言わずに
あたしの横を通り過ぎ、階段を上がった。







「ごめんね、友達大丈夫だった?」

階段を上がると、屋上に続く扉から日差しがこぼれて
あたしたちを照らしている。


「あ、うん!全然平気!」

屋上には鍵が掛かっているので
入る事が出来ない。


シンと静まる踊り場で
階段下から聞こえる笑い声が、まるであたしたちを現実から遠ざけているようだった。



「…神楽、だったんだね。」

「え?」

突然三上くんの口から発せられた言葉に、思わず声がうわずってしまう。