恋 文 日 和



………………



心に決めて一週間。

お正月の慌ただしさはすっかり姿を消し
貼り付けた笑顔と
クリーニングしたての制服が、ようやく身に馴染んだ頃。


突然、玲が言った。


「ね、日和。」

「うん?」

お昼休みの食堂。


トレーに乗せた中華丼とサラダをテーブルに置くと

「バレンタイン、どうすんの?」

前に座った玲の言葉に、思わず心臓が跳ね上がる。



動揺が悟られないように、イスを引いて座るあたし。


「…どうするって?何がー?」

極力笑みを保ったまま聞き返した。
パチン、と割り箸を半分にする。



「何がって、もちろん神楽にあげるんでしょ?」

「…玲、気が早いよ!まだ1ヵ月もあるじゃん。」

「何言ってんの!そんな悠長にしてるの日和くらいなもんだよ?」

ほら、と玲が指を差した先には
盛り上がる女子の集団。


そして、その中心に広げられた
バレンタイン特集の雑誌。


「あげるんでしょ?神楽に。」

と、玲はさも当たり前のように笑って言った。