恋 文 日 和



そんなあたしの心中とは裏腹に、彼女は可愛いらしい笑顔を振りまいて話出した。


「あ、私、中学の頃から翔くんとずっと同じクラスだったんです。」

「…そう、なんですか。」

…ダメだ
上手く笑えない。



「翔くん、昔からいつも優しくて…。私、人と接する事が苦手なんですけど、翔くんだけはよく話掛けてくれたんです。」

口元に微笑みを浮かべたまま、彼女は嬉しそうに語ってくれる。



…わかってる。
彼女に、嫌味などない事くらい。

だからこそ
胸が痛くてやりきれないのも、理解してるはずなのに。



「…私、本当に翔くんが好きで…。」

……聞きたく、ない。


「だけど、結局気持ち伝えられなかったんです。」

……聞きたくないよ。


「卒業する時に一度だけ……、写真を撮ってもらって…。それが、今でもあたしの宝物で…。」

えへへ、と前髪を掻きながら笑う彼女は
きっと、誰かに想いを打ち明けたかったんだと思う。



だけど、何で
それを打ち明ける相手があたし、なの?


やめてよ。
あたしだって、あたしだって……。