恋 文 日 和



「俺、おみくじ初めてかも。」

「本当に?じゃあ、大吉だといいね。」

「でも大吉って何か逆に怖くね?吉くらいでいいんだけど。」

あはは、と二人の間に笑い声が響く。

最初に感じていた緊張もすっかり解け、神楽くんの言葉を上手く返せるようになった。


数分前には最後尾だったあたしたちの後は
あっという間に列が出来ている。



少しずつ進む列に
他愛ない話をしていると

「…何か、ごめんな。」

ポツリ、と神楽くんが呟いた。



「…何、が…?」

「いや、この前の事もそうなんだけど…。」


聞き返したあたしに、そう言った神楽くんは

「美咲の事も、さ。」

と、きまずそうに視線を下げる。



その名前が、再び胸を痛めてきて
あたしも俯いてしまう。


「今日、本当は4人で行こうと思ってたんだ…。けど、あいつがどうしても行きたいって言うから…。」

ごめん、と続けた神楽くんに
あたしは黙って首を横に振った。