恋 文 日 和



その言葉に
力の抜けた顔で、玲を見つめる。


「あたし、思うんだけどさ、」

ぬるくなったココアを手に、玲は言葉を繋いでゆく。


あたしはただ黙ったまま、玲の横顔に視点を合わせた。



「何とも思ってない人相手に、そうゆう事言う奴じゃないと思うんだよね。神楽って。」

ピリ、と気持ちのいい音が聞こえて
玲が開けたプリンが、甘い香りをあたしに伝えてくる。



「だからさ、もう元気出しなよ。」

「…玲……。」

揺れる視界が、乾いたはずの頬をまた濡らして。


「日和が元気ないと、こっちまで調子狂っちゃうっての!」

ほら、食べな!と玲がプリンを差し出す。



「どう?おいしいでしょ、このプリン!」

250円もしたんだからねっ!
そう言った玲に、涙が止まらない。


「…うう~、玲ぃ~…おいひぃー…。」

「当たり前でしょ!あたしが認めたプリンだもん!」

そんな冗談が、優しすぎて。



「年が明けたら、きっといい事あるよ。」

「…うん。そうだよね…。」

ニッと笑った玲と
口いっぱいに広がる甘い甘いキャラメルが、あたしに再び笑顔をくれた。