恋 文 日 和



絶叫にも近いあたしの声に
神楽くんが驚いて目を丸くした。


「菊井、どうし…、」

「おっ、お誕生日!おめでとうっ!!」

慌てて差し出した、プレゼント。




それを見た神楽くんは

「これ……俺に?」

と、戸惑った様子で尋ねる。


あたしは俯き、プレゼントを差し出したまま
コクン、と頷いた。



時計が差す時間は、12時を1分過ぎたあたり。


気が付いてよかった。
本当は12時ぴったりに渡せればよかったんだけど…。


この際、そんな事はどうでもいい。
とにかく渡さなきゃ。

ラッピングされたウォークマンは、神楽くんに使って欲しいって言ってる。


真っ赤に染まった顔を絨毯に向けていると
差し出していた腕が、ふっと軽くなった。



そして、恐る恐る視線を上げた先に映ったのは

「ありがとう。」

なんて、極上の笑顔を向けてくれる
神楽くんの優しい瞳。



心が、揺れた。