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“I want to defend you,It loves”

“I also……It loves”



暗闇の中、スクリーンに映し出される男女が深くキスを交わす。


燃えさかる炎を背に、二人が抱き締め合った時
会場は涙に包まれた。

あちらこちらから、鼻を啜る声が聞こえる。



あたしは黙って、虚ろな瞳でその二人を見つめていた。





「感動したよね~!」

映画館を出て、三上くんが体を伸ばしながら言った。

晴れ渡った青空に目を細めながら
あたしは、「うん、そうだね。」と返事を返す。



だけど視線は下へ向いていて。


真っ直ぐに三上くんを見られない。



ただ、罪悪感の狭間で揺れる心に
小さな溜め息がこぼれ落ちた。



同じように映画館から出てきたカップルが、あたしを追い詰めてゆく。