恋 文 日 和



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心とは裏腹に
空は、これでもかってくらいの晴天。

いつもは授業を受けてるはずの時間が
今日だけはお祭りに変わって。


校内全体が、みんなの笑顔で溢れていた。



「菊井、そっち持ってて。」

「うん!」

文化祭当日の朝。


どのクラスも
これから行われる、催しモノの準備に追われているようだ。


「つーか、何で俺らのクラスは喫茶店な訳?」

「俊介が休んでたんだからいけねーんだろ。文句言うな。」

手は止めず、神楽くんは桜井くんに言う。


負けずと桜井くんは口を開いた。


「文化祭って言ったら普通、お化け屋敷だろ!」

「うるせ!ズル休みしやがって!」

「んだとぉ!?」

「ちょ、ちょっと二人ともっ!」


今にも取っ組み合いが始まりそうな二人の仲裁に入るあたし。


なんだかんだ言っても
二人は仲良しで、こんな感じでふざけ合いながらも

彼らの間に笑顔は絶えなかった。


そんな二人を見つめながら
あたしは小さく溜め息をつく。


周りから聞こえる笑い声だけが、いつになくあたしを切なくさせた。