「俺、後悔してる。」
「…何を?」
紙コップをテーブルに置き、桜井くんは窓の外に視線を向けた。
「あいつの、友達になった事。」
その横顔が小さく揺れて。
「怖かったんだよ。玲の、傍に居れなくなるのが。」
横顔から紡がれる言葉が、あまりに悲しくて。
「笑ってくれればいい、そう思って逃げてたんだ。ずっと。」
泣きたいのは、桜井くんのはずなのに
勝手に目頭が熱くなってくる。
「なのに、あいつにあんな顔させて…。あんな事言わせて…。」
ポタリ、と手の甲に落ちた雫が
歪んで見えた。
『みんながみんな、まっとうな恋してるとでも思ってた?』
「後悔してる、友達って関係を…選んだ自分に。」
震えた桜井くんの声が
あたしの涙線を壊していった。

