「突然ごめんね。」
「ううん!全然っ!全然平気!」
大げさに顔を横に振ると、桜井くんは眉を下げて笑った。
その笑顔が、何だか痛い。
まだ賑わいを見せない静かな店内で、桜井くんと向き合って座る。
こうして桜井くんと二人で話すなんて、よく考えてみたら初めてだった。
そう考え出すと、妙に緊張してしまう。
注文したオレンジジュースを、ぎこちなく飲むと酸味が口いっぱいに広がって。
「学校、どう?」
「え!?あ、んっと、」
突然の質問に、言葉が喉に詰まってしまった。
ゲホゲホとむせるあたしに
「大丈夫?」と桜井くんが心配してくれる。
「ご、ごめんね!大丈夫!」
って、心配しなきゃいけないのはあたしだってば!
自分にツッコミながら
改めて背筋を伸ばして座り直した。