「いいの、このままで。あたし、見てるだけで幸せだもん。」


そう、こうして同じクラスで同じ時間を過ごしていられる。


「それに、あたしなんかじゃ神楽くんには不釣り合いだよ…。」


それ以上、望む事なんてないよ。




パクリ、とママお手製のサンドウィッチを口に含むと、トマトの甘酸っぱさが広がった。


神楽くんがもし、太陽だとするのなら
あたしはきっとひっそりと光る星みたいな存在。

誰にも見つけられず、気が付かれないような、そんな淡い気持ち。


いいんだ、それで。

太陽は、星と一緒には光れない。




それでも、太陽が輝いていてくれたら。

それだけで、いいの。




「ふぅん……。」

その答えに頬杖をついた玲は、じーっとあたしを見つめてくる。



「な、何?」