恋 文 日 和



ドクン、と心臓が跳ねて
頭の片隅でその言葉が何度もリピートされる。


…神楽くんが?


「……クビ…?」

口にすれば
それはあたしの中で大きく変化していって。



「そうよ、あなたのせいでね。」

「…あ、あたしの、せい…?」

震えてゆく体と声。


全てが歪んで、形を変え
心にシミが広がって、もう自分じゃどうしようも出来ない。



『あいつはあいつなりに頑張ってるんです!』

『お願いします!俺からもちゃんと言っておきますから!』





―――神楽くんの笑顔が


思い出せない。





瞬きすら忘れたあたしに
リサさんは一言呟いた。


「目障りなのよ。」


ポツン、と落とされた言葉。


そして閉じる扉の向こうに消えたリサさんの後ろ姿を
虚ろな瞳で追いかける。


全身の力がふっと抜けて
あたしはそのままずるずると座り込んだ。