そう言えば、神楽くんもあの時
床掃除してたっけ。
考えるとモップを動かす手にも力が入る。
それから一通り掃除を終えて、元の場所に戻ってきたあたし。
床と言っても
広いフロアはモップをかけるのにもかなりの一苦労。
一階だけで一時間もかかってしまった。
しかもここは二階もある。
「さて、もうひとふんばりだぁ。」
一呼吸置き、二階へ続く階段へ向かうと
「菊井!」
あたしを呼ぶ声に、思わず手に持ったモップを落としそうになった。
「か、神楽くん、」
どうやら、一足遅れて神楽くんも出勤したようだ。
まだちゃんと制服を着れていないのか、ネクタイを整えながらあたしの元へ向かって来る。
その姿に心臓が暴れ始めた。
やっぱり、制服姿もかっこいい。
「どう?結構大変でしょ。」
「う、うん!でも、みんな優しそうで安心したっ!」
「そっか、よかった。…あれ?」
ふ、っと笑った神楽くんの目線が一点に止まった。

