…それに、少しでも神楽くんに会えるなら。
夏休みの間、会えない時間を過ごすのなら。
バイトでも、何でも
一緒に居たい。
神楽くんを、もっと知りたいんだもん。
「じゃあ、頑張ってね!」
「う、うんっ!!」
お昼を終えて、太陽が一番てっぺんに差し掛かる時間。
これからバイトに向かうあたしを玲が見送ってくれた。
「…日和っ、」
「ん?」
手を振り、歩き出したあたしの背中を引き止める声。
「神楽の事、本当に好きなんだね。」
「え?」
向き合った視線が揺れて。
一瞬曇った玲の瞳を、あたしは見逃さなかった。
「…玲?」
一歩足を踏み出したあたしに
「じゃあね、」踵を返した玲はそう言って街中に消えていく。
違和感を感じたものの
「ヤバっ!もうこんな時間っ!」
時計が指す数字に驚いたあたしは、玲と反対方向へと走り出した。

