From:神楽 翔晴
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本当に来るの?

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「んふふっ、」

つい、笑顔が零れ落ちてしまった。



賑わう駅前の柱に寄りかかる。
そのままカチカチと両手で携帯を持ちながら文字を打ち込んだ。


何度も読み返して確認をすると

「…送信、っと。」

未だ崩れない笑顔で、画面を見つめる。



幸せが溢れそう。



「何ニヤついてんのよ。」

「っわぁ!」

食い入るように画面を見てたあたしに、ウォークマンが耳から外された。



「れ、玲!」

「あんたねー、こんな所でもニヤつかないでよ。見てるこっちが恥ずかしいっての!」

…うっ。
あたし、そんなにニヤニヤしてた?


呆れた様子で腕を組む玲に、思わず小さくなる。


「まぁまぁ、いいじゃん。それだけ幸せだって事でしょ。」

そんな玲の後ろから顔を覗かせた桜井くんが、上手いタイミングでフォローしてくれて。



「はぁ…。神楽も鈍感だよね。」

「な、どうゆう意味!?」

「日和ほどわかりやすーい子居ないって事!」

熱するアスファルトの上、あたしたちは街へと歩き出した。