「おまっ、朝川……」

「さ、三枝!なんでこんなとこにいんのよ」

なんと、ブランコに座ってたのは、同学年どころか俺のクラスメイトだった。




朝川永莉。




男っぽいわりに、面倒見が良くて、男女共に友達が多いやつ。俺は、あんま喋ったことないけど。



朝川は、慌てて目元をぐいっと拭うと、そっぽを向いた。なんでってそりゃこっちの台詞だ。お前んち、逆方向だろ。



ってか、なんでコイツ泣いてんだ…?泣かなさそうなタイプなのに…。そんなに仲良くないってのもあったけど、泣いてた理由は聞いてはいけない気がして、俺もそっぽを向いた。



さすがに、同じクラスの女子目の前にしてブランコ漕ぎ続けられるほど、俺もガキじゃない。大人しく漕ぐのをやめてブランコがとまるのを待つ。

なんとなく、気まずい雰囲気が流れた。