私、鈴坂春はこの春から高校一年生。
仲のいい友達や好きな人だってもう出来た。部活動にだって入っている。

「春、学校よ。そろそろ下りてきなさい。」

一階からお母さんの声が聞こえる。

「はい。わかりました。」

そう返事をし、一階に下りる。

一階に下りるには無駄に長い階段を使わなければならない。
それが大変だ。だけど、運動にもなるのでいいかな、と私は思っている。

「じゃあお母さん。行ってくるね。」

私はお母さんにいつものように声をかける。