いっそのこと、このままやり過ごせないかな。
準備なんてしてあげる義理なんてないし。



そうよ、このままでなければいいんだ。




・・・なんて。
そんなことが通るわけもなく。




「なんでよ・・・」




私はあっけなく、カインに捕まった。
だって、私が出て行かなければ延々と部屋をノックし続けるんだもん。

たまったもんじゃない。




「裏から出る。黙ってついて来い」

「黙ってあげる筋合いなんてないわよ」




私は別に行きたくなんてないんだから。
そう言うと、カインは眉間にしわを寄せ私を睨みつけた。


あーこわ。




「わかったわよ」




ほんと、勝手!