少し長い前髪をセンターでわけ、後ろ髪は腰まであるんじゃないかというほど長く後ろの高い位置で一つにまとめている。
その髪もきっちり綺麗にまとめているわけではなく、雑多な感じだけど、でもそれが決して崩れているわけではなく、それでいて美しいと思える。


男のロンゲなんて、論外だ。
と思っている私でさえ、なんだか目が惹きつけられるほど美しいと思えた。


サラッとして、綺麗な髪質に見えるからだろうか。



しかし問題はその顔だ。
そんな美しい髪を持ったその人だから、それこそ美しい顔なのだろうと思うはず。


いや、確かに美しい。
美しいんだけど、その美しいパーツは、先ほどの高圧的な言葉にもにじみ出ているようにとても、顔にもそれはにじみ出ていた。


キュッと寄せられた眉。
への字に曲げられた唇。

ああ、美しい顔がもったいない。



そして、恰好はというと。
黒いパンツに白の襟のないシャツ。
その上に艶やかな着物を羽織っているという不思議な格好。



・・・なんなんだ、この人は。




というか。
なに私は冷静にこんな人の姿を観察しているのだ。
ここは、夢の世界なのに。




「おやすみなさい」



私は再び目を閉じた。