「おっと、早く医師を呼んでこなければ!では、僕が呼んできますので、ももこさんは部屋にお戻りください。まだ安静にしていなくては」
そう言うとヨウさんは、そそくさと行ってしまった。
落ち着いた大人な感じの人だと思ってたけど、意外と陽気な人なんだ。
ヨウさんが人を呼んできてくれるんだったら私どうしよう。
スイのところに戻ろうかな・・・。
でも・・・。
――でも、カインはそれを表には出さないだろうな。僕たちも、そう言う姿見たことはないし
私は気になって、あいつの部屋に向かうことにした。
あいつの事なんて、大嫌いだし、どうでもいいけど・・・。
でも、スイの事に関しては、誤解ならちゃんと謝らなくちゃ。
悔しいけど、筋は通すべきだよね。
話を聞いたって、あいつが私の事を心配してくれてるなんて信じられないけど。
どんなつもりで、私に構うのかわかりっこないし、わかりたくもないけど。
本当に、一人で苦しんでいるとしたら・・・。
それを放っておくのは、なんか違う気がする。


