ヨウさんは一人ソワソワしながらぶつぶつ独り言を言っている。
「あ、あの。ヨウさん・・・?」
「あ、すみません。実は昨日からももこさんとスイの様子を見に行きたかったんですけど、カインに止められてまして」
「え?」
「二人は怪我人なのだから、僕たちがいって気を遣わせれば休まるものも休まらないと・・・。ですからあの部屋には、医師しか出入り禁止になっていまして・・・」
お見舞いに誰も来なかったのは、スイや私のため?
ゆっくり休めるように気を遣ってくれたの?
「そのくせ自分は、ももこさんの側を動こうとせず、ずるいと思いませんか?」
「え?」
「医師はうった頭の方も腕の怪我も大したことはないと言っているのに、何度も何度も、ちゃんと検査しろと大騒ぎして、大変だったんですよ」
ウンザリしたような顔でヨウさんが言った。
あいつが・・・?
信じられない・・・。
わからない。
あいつの考えてること。


