「簡単に言えば、僕たちの心臓はカインが持ってるってこと」

「命を、あいつが握ってる・・・?」

「そう。だからこそ、僕たちはカインを護る。天界のために。僕たち自身のためにもね」




カインが傷つけば、スイや他の神たちの命も危うくなる。
だから、カインは一目散に逃げたんだ。
しらなかった。
それに、あんな敵がいることだって知らなかった。




「ももちゃん、カインには会った?」

「え?あ、・・・私が気づいたときに少し」



出て行ってからは一度も目にしていない。
別に、私は気にしていなかったけど。





「様子は?どこか、苦しそうにしてたりしなかった?」

「え?特にそんな様子は見えなかったけど」

「本当・・・?」




スイの表情が心配そうに歪む。
いったい、何事?



「どうかしたの?」

「僕たちの命を握ってるのはカインだから。僕たちが受けたダメージもカインにうつってしまうんだ」

「えっ?」