華やかにはじめられたパーティ。
天界人の上流階級の人たちも集められているらしい会場内はたくさんの人でにぎわっていた。

私は階段の上に立たされ、好奇の目に晒されている。




「今日、集まってもらったのは、俺の嫁になるこの娘ももこのお披露目のためだ。この者は人間だが、俺が選んだ嫁だ。そのつもりで、接してくれ」




私の隣に立ったカインが、そう紹介すると会場内は沸き立った。
カインの決めたことは絶対なのか、反対を口にする者はいない。

本当に、そうなんだろうか。
人間なんかがカインの嫁、なんてシモンみたいに不満を抱いている人は本当にいないんだろうか。

いたっておかしくないのに。
皆、カインには逆らえないから?


反対してくれればいいのに。
そうすれば、私はお役御免になるかもしれないのに。




「今日は、楽しんでいってくれ」




カインがそう言うと私の背中を押した。
私は怪訝な表情でカインを見る。



「お前も、あっちに混ざって来い」




冷たくそう言い捨てられるとカインは階段上に用意された豪華な椅子にドカッと座った。