ポロポロと溢れだした涙。
こんな奴にみせたくないけど。

手で顔を覆い、涙を隠す。



「泣いたところで、鍵はやらんぞ」



そう言いながら、カインは私の上からどけた。
私はすぐにベッドから転げるようにして降りる。

涙を乱暴に拭うと、カインをキッと睨みつけた。




「勝手にしたらいい。私を嫁にでもなんでもしたらいいわ!でも、私の心は私のものよ!絶対に、あんたのモノになんかならない!あんたを好きになることなんて、絶対にありえない!」




私はそう言い残すと、カインの部屋を飛び出し、自分の部屋へと逃げ帰った。
悔しい思いがこみ上げて涙が溢れて止まらない。

大嫌い。




大嫌い。




大っ嫌い!




あんな奴。
絶対に、好きになんかならない。