書斎とはいえ、ただ仕切られただけで、扉はない。
たくさんの本や、書類がたくさんある。
私は、机の引き出しを上から順に開けていく。
どこにあるの。
早く探さなきゃ。
あいつが戻ってくる前に。
気持ちだけが焦り、大きな音を立て机の上にあった本を落としてしまった。
「っ!」
慌ててその本を拾い、一度電気を消した。
バクバクと音を変えた心臓が煩く鳴り響く。
その音が周りに聞こえてしまうんじゃないかという錯覚に陥る。
それくらい、テンパっていた。
しばらくして、気づかれていないことが分かり、私は捜索を再開する。
でも、いくら探しても鍵らしきものは見つからなかった。
「どこにあるの・・・」
大事なものだもん、肌身離さず持っているのかも。
そうだとしたら、とる隙なんて絶対にないよ。


