カインの部屋って、隣って言ってた。
もう、部屋に戻ってる?
まだ、どこかで何かしてるのかな。
私はそっと部屋を抜け出し隣の部屋に向かう。
一か八か。
運試しのような気分で小さくノックをする。
ドクン、ドクンと胸が鳴る。
中から返事は帰ってこない。
よし。
カインはまだ戻っていない。
私はそっと扉を開いて中にはいる。
中は真っ暗だった。
電気をつけたら気づかれるかも。
私は真っ暗な中を手探りで進んでいく。
机の上のスタンドライトだけをつけた。
その灯りを頼りに、机のあたりを探す。
神にはそれぞれマンション一室分くらいの部屋があてがわれていると言っていた。
その言葉通り、部屋はとても広い。
暗くてあまりよくわからないけど、入ってすぐのスペースは、大きなソファやテーブルリクライニングチェアなど、くつろげる空間みたい。
私はその先にあった、書斎のようなスペースまで進んでいた。


