シモンにとっては、そうじゃない。
立場の問題なのか、性格の違いなのか。
シモンは、カインに口答えができる立場という事なんだろうか。
カインに仕えている人、なんだもんね。
その中でも一番偉い人なのかも。
「ももこさまも、いずれわかりますよ」
「え?わかる?」
「カインさまは、素晴らしいお方です」
清々しい顔。
本心でそう言っているのがわかる。
でも、私にはわからない。
いくらカインが素晴らしい人だとしても。
私がここにいたい理由にはならない。
私が、あいつを好きになることなんて絶対にない。
絶対。
そう言い切ったって、結局どうにもならないんだよね。
「どうして、私なんだろう・・・」
誰だって、よかったじゃないか。
私なんかじゃなくても。
どうして、私なの―――――――?


