「デモンは気づいてない!デモンには、シモンさんがいるのに!こんなに、想ってくれるシモンさんが!それを、伝えないままでいいの!?そのまま死なせちゃっていいの!?」
「・・・私は」
「このままだと絶対後悔する!私は、カインを護りたい!シモンさんだって、デモンを護りたいんでしょ!?」
悲しいよ。
本当はこんなにも思ってくれている人がいるのに。
それを知らないまま、気づかないまま死んでしまうなんて。
間違ってるって。
そんな復讐、違うって。
教えてあげなきゃ。
止めてあげなきゃ。
「遠慮などいらん。後ろで見物しているお前らも一斉にかかってくればいい。俺を殺す気でな」
デモンの声にハッと振り向いた。
いけない!


