「私は、デモンさまに生きていてほしかった。もし結果、カインさまが死んだとしても。私は、デモンさまに・・・」
「死ぬつもりって・・・」
「結局、私はデモンさまの心を変えることはできなかったという事です」
どうして。
終わった気でいるの。
まだ、カインもデモンも生きてるのに。
「今らかでも遅くない、止めよう!こんなの、絶対いいわけない!シモンさんだって、そのために、スパイみたいなことしてたんでしょう!?デモンのために!デモンに生きていてほしいんでしょう!?」
「ですが!・・・デモンさまはそれを望んではいない。デモンさまを殺せるのはおそらくカインさまだけです。ですから、カインさまの怒りを煽り、ここで決着をつけるおつもりなんです。私は、デモンさまのお気持ちを――――」
大きく手を振りかぶって、シモンさんの頬をはり倒した。
驚き目を見開いたシモンさんは私を見つめ返す。
唇を噛みしめポタポタと落ちる涙。
「違うよ!間違ってる!カインに、デモンを殺させちゃいけない!二人は、兄妹なの!デモンは違うって言ったけど、同じ日に生まれた家族なんだよ!」
「ももこさん・・・」
「そんな風に、わかったように見せて、納得したふりして、シモンさんは本当にいいの!?」


